人気ブログランキング | 話題のタグを見る

走れ!Nally!

rhrsp.exblog.jp
ブログトップ

オーディオウインズ6V6アンプ 〜その1〜

 我がサブシステムのプリメインアンプMusical Fidelity A1は素敵なアンプなのですが、皆様ご存知の通り設計的に熱に厳しく市場に出回っている機種のいずれもが、セレクター、ボリュームのガリ、接点不良や電解コンデンサーの抜けで寿命がつきていきます。
我がA1も例外でなく、セレクターが持病を発生しCDポジションが昇天しAUXも駄目、残されたポジションはTUNERかTAPEのようですが、設計的に無理のあるアンプ、いつ寿命がつきても不思議ではないのです。
如何に空冷ポルシェの様にPC用の超静音のFANを2個付け空冷にしても限度があると思うのです。
しかし、この「まったり」とした「こく」は、まさに手間ひまをかけて作り込んだスープのようなもので非常に味があり忘れられないのです。
確かに修理することも可能ですが、基本設計は変わらないのですから延命するだけの話(工業製品は設計が非常に大切です)、やはり「後継機種」を選ぶしかないかと。
無論、中古で程度の良いA1系を探し渡ることも選択出来ますが…。

そんなあらゆる可能性を考えたA1後継機選びで私が興味を惹かれたのは「オーディオウインズAW-M610 6EM7全段A級差動PPアンプ」だったのですが、試聴は次回となり、ひょんなことで6V6をお借りすることとなりました。

 果たしてどんな音を奏でてくれるのでしょう?

B5程度の非常にコンパクトなアンプです (SANYO XACTI HD-1)
オーディオウインズ6V6アンプ 〜その1〜_e0147592_1735791.jpg




 6V6のアンプと言えば、サンバレーさんにもありますが、私は春日無線さんの6V6が頭に浮かびました。
前から興味のあったアンプなのですが、なかなか購入にまで到らず、そんな時私が住む同じ市内のオーディオウインズさんが、「アンプを作る会」みたいなものを開くとWEBで募集していたのです。
実は私も参加したかったのですが都合付かず泣く泣く見送りました。
参加したかった理由の一つが教材として6V6アンプがあり、そのアンプの佇まいがなかなか良いことだったからです。
「キットかなんかで販売してくれたらなぁ…」と考えていたところ「無線と実験」でオーディオウインズさんが紹介された記事があり「6V6は販売する」とのことでした。
ただこの記事は勇み足らしく雑誌には「8月販売」と書かれましたが実際は「9月販売」とのこと。
「そりゃぁいい」とさっそくHPを見に行くと「6EM7貸し出し機種あり」とのこと。
これは願ってもない話、早速メールし6EM7と6V6に興味がある旨伝えると「6EM7は貸し出し出来ないが6V6は貸し出しOK」とのこと。
これは有難いと早速車を走らせた次第です。

 話は変わりますが、この「アンプを作る会」には5名程参加されて中には大学生もいたそうです。
嬉しいですねぇ…大学生の参加なんて、どうにもAUDIOが年配の方の趣味的色合いが濃いなかで若い人の参加は凄く嬉しいですし、こんな風に趣味の世界を広めていくのに「種蒔き」は欠かせません、オートバイの拡販の為にショップのツーリング会があるようなものです。
この催しが来年も続いて欲しいものです。

 さて借りてきました6V6はB5程度のサイズで非常にコンパクトです。
真空管はエレクトロハーモニクスの6V6GTと12AU7のシングル構成。
出力はまだ未発表作品なので不明ですが、3W程度ではないのでしょうか?
正面から見て真空管とトランスがシンメトリーに配置されていて、なかなかのデザインではないでしょうか。ボリュームは左右独立して1個づつ、計2個ありプリを介さず使うことも十分可能。
SPターミナルは太めのケーブルも入るなかなかなものです。
SPターミナルやRCA入力端子は、おそらく大手のメーカー製では、コスト的に制限され安いものを付けられがちですが、この辺りのヒューマンインターフェースには本来ならお金をかけて欲しいところです。このアンプは、販売価格は発表前なので書けませんが頑張っているんじゃぁないかと(結構リーズナブルなはずです、9月の発表をお楽しみに)。

 さて出てくる音なのですが…
試聴システムは、SP:TANNOY Autograph mini、CDP:Musical Fidelity A3.2CDと私のお馴染みのメンバーです。試聴ソフトは色々(笑)
まずは、直結で聴きます、真空管はプリをつなぐと良いのを知りながらです。
「げっ…」
が正直な感想でした。A1と比較すると腰が高いのです、そして元気はつらつ、すると「シャリシャリ」した音傾向です。
「こいつは手強い」と感じ、次はエレキットの真空管プリTU-875を追加します。
このプリは、中域が厚くなるへたをすれば「かまぼこ」になりかねない個性の強いプリです。
「…なるほど…」
幾分腰高が弱まり重心が低くなりますが、以前「シングル」と「プッシュプル」で随分SPの音が変わるを経験しており、「miniはプッシュプル向きかも」と思い副工場長のkit LS3/5Aに選手交代となりました。
試聴ソフトは、パソコンに取り込んだサンプリング周波数96KHzの音源をローランドの外付けUSB音源EDIROL UA-4FXを使い出力、重心を下げるためSPケーブルはベルデンの4芯構造のケーブルで、RCAケーブルもベルデン系でまとめました。
さて出てくる音は…
miniより重心が下がりました。密閉向けな音かもしれませんが、やはり元気で前に前に出てくる音です。
ここでも直結よりTU-875を使った方が中域が厚くいい感じになります。
「…これで随分重心が下がったよなぁ…でも、おてんばだぞこいつ…」
と感じて約2時間程鳴らしながらブログを打ち込んでいて、ふと気づいたのですがさっきより高中正義やMALTAの音がやわらいできています…
「?…これは…」
そう、なんとも言えませんが、このアンプエージングがまだ十分進んでいないのではないでしょうか?
確か完成したのが、8月10日頃の筈ですから生まれて未だ2週間も経ってません。
私はよく「出来立ての真空管アンプの音はひどい」と聞かされたことがあるのですが経験がなく、実はこのことではないかと…。

A1のような「まったり」とした音ではないですが、このはつらつさはJAZZとかに向いているかもしれません。

このアンプ暫く借して頂けるとのことなので、もう少しエージングして再度試聴機を書かせて頂きます。

オーディオウインズ6V6アンプ 〜その1〜_e0147592_1832847.jpg

Commented by きゃーる at 2009-08-23 21:48 x
rhr_nallyさん、こんばんわ^^

前へ前へ出る音っていいですね^^
あと少しの重厚さがあれば私好み^^
エージングでかなり変わるアンプなんですね^^

エージングといえばヘッドホンですけど、
HD650は笑えるくらい変わります。
あまりものドラマティックな変貌に
もう一度エージングしたくなるくらいです(笑)

この6V6アンプ、お値段いくらくらいになるんでしょうね^^
5万くらいかなあ・・・
Commented by たっちん at 2009-08-23 22:06 x
こんばんは

重量級のアンプも良いですが、こういうコンパクト&シンプルなアンプにはなぜか愛着を感じますね。

>元気で前に前に出てくる音
kitLSがこういう鳴り方をするというのは、けっこう個性的な音のアンプかなぁという印象ですね。ウチのkitLSは、延べ8台くらいのアンプにつなぎましたが、こういう傾向の音を聴かせたことはあまりありません。一度だけ、プロローグ・ワンというオランダの真空管(EL34×4)アンプで鳴らした時に、アンプに無理やり鳴らされている風情で、前に出る音を聴かせましたが。

次にどんな音の変化を見せるのか・・・次回レポートが楽しみです。
Commented by rhr_nally at 2009-08-23 23:41
きゃーるさん、こんばんは。
このアンプはキットの場合きゃーるさんの予算より安いと思います。
6EM7もそうなんですが、オーディオウインズさん時間を頂ければファインチューニングに付き合ってくれるようですよ。
私が試聴しようとお願いした6EM7は注文主がトランスをファインメットコアとボリュームをやや高級品に変え注文したようで注文に合せチューニング中とのことです(その完成品との比較マスターに試聴用6EM7を置いているので試聴できず「もう少し待って」でした(笑))。
正直最初6V6は、miniで中高域しか出てないように感じ「おいおい…」が正直な気持ちでしたが、エージングで変わってきました。
新潟の人が注文していたりなので、通販もokですから問い合わせれば遠方でも貸し出ししてくれるかもしれませんよ。
Commented by rhr_nally at 2009-08-23 23:49
たっちんさん、こんばんは。
この6V6確かに個性的だと思います。
サンバレーさんのボイシングが美音系だとすると、このアンプはやや荒削りでJAZZ系かと感じました。
但し、エージング中なので様子をみないといけませんが、思想が違うと音も違うものですね。
個人的には、春日さんの6V6よりこちらの方がデザインは好きです、シンメトリーなので安定感がある感じがします。
ただ、ファインチューンをする余地もあるみたいで例えば、インシュレーションのゴム足をもう少し良いものにして上げる、ホームセンターで木を買ってきてサンドペーパーで磨き上げたやつを付けてあげるとか自分好みの1台にできそうです(この程度なら逆にオーディオウインズさんと相談次第だと思います)
EL34のプッシュプルやKT88のプッシュプルは馬力がありますから、SPを「駆動してるぞ」的感が強いかもしれませんね。
前に試聴した時にある意味「HIFI」調と感じました。
そんな意味では未だ聴いたことはありませんが、2A3なんか「ゆるり」と鳴るのではないかなぁと。
でも「ゆるり」「こい」「こってり」は、A1がありますから…なんともAUDIOとは悩ましい趣味ですね。
Commented by 欄太郎 at 2009-08-24 06:33 x
rhr_nallyさん、おはようございます。

rhr_nallyさん浜松の方ですが、私もオーディオウインズさんには、天竜の帰りに2回ほど依らせて頂きました、通販でも部品を結構頼んでいます、キット屋の6V6は聴いた事有りませんが、皆さんの評価を見ると、ハイスピード、でジャズ向きみたいですけど、春日の6V6は三結のためか、300Bの様な響きが有ります、でも全体的には6V6らしい1音1音立つ様な、現実的な音です、中抜けしていない所が好きです、デザインはrhr_nallyさん言われる様に私も左右対称の安定した形が好きです。エージングも楽しい様な切ない様な、気が短い私には、耐えられません(涙)
Commented by rhr_nally at 2009-08-24 08:58
欄太郎さん、おはようございます。
そうなんですよ、実は春日6V6を所有されている欄太郎さんとすけさんのコメントを気にしていたところです。
オーディオウインズさんの6V6の結線については、社長に確認してみますが「三結にすると300B的響きあり」ですか…なるほど6V6が皆さんに好まれる所以みたいですね、聴いてみたいなぁ…。
しかしオーディオウインズさんのこのアンプの根っこのキャラクターは、「元気はつらつ」だと感じています。
真空管がいずれもエレハモなので(ロシア球は、シャープと先入観を持つ私です(笑))、ふくよかなChaina球に変えると「少し様子が変わるかも?」と作戦を練ったりしていますが、借り物ですから出来そうにないです。
今夜も帰宅したら暫く聴きこもうかなぁと。
 でもA1と正反対傾向のこのアンプを「使いこなすぞ!」的な意欲が沸くのは、皆様に色々教えて頂いたからなのでしょうね。
私もこのブログを通じて少しずつ「たくましく」なっているようです(笑)
Commented by きゃーる at 2009-08-24 22:46 x
rhr_nallyさん、こんばんわ^^

おお^^
結構安いのですね!
チューニングもやってくれるんですね^^
ファインメットコア高そうだなあ。。。
春日さんのは値段倍になってました(汗)
アンプ探しは、mini91B、SV-275、AP-757、6V6アンプと
頭の中を駆け巡っています(汗)
Commented by rhr_nally at 2009-08-25 08:43
きゃーるさん、おはようございます。
春日さんのHPを見ると確かにファインメットコアは倍ですね、私もこの値段には躊躇してしまいます(笑)
SV-275は在庫限りで10台を切ったみたいですよ、KT88らしいHIFI調な音で、私も好きでしたが購入は見送りました。
「予算がない(笑)」のと「SV-2(2007)+SV-18Dの組合せでいいか」との想いと「半導体アンプもリファレンスにしたい」想いのためです。
きゃーるさんの自作SPの傾向からすると、真空管アンプで反応よくドライブしたいんじゃぁないかと私勝手な妄想を巡らせますと…きゃーるさんの選択はいい感じですね。

オーディオウインズさんの6V6は、相手(SP)を選ぶみたいです。
Autograph miniでゆるゆるを狙う私には合わず、密閉でタイトなkit LS3/5Aでバランスがとれた感じです。
残る手持ちのSPは…御大RHRしかないのでいよいよ「6V6でRHRをドライブ」に挑戦してみます(どんな感じになるんでしょう?)

また個人的に非常に気になる6EM7全段差動PPアンプについては、来週末借用できる目処が立ちましたので試聴結果をまたレポートしてみますのでお立ち寄り頂ければ幸いです。
ではでは。
Commented by きゃーる at 2009-08-25 20:53 x
rhr_nallyさん、こんばんわ^^

SV-275よさそうですね^^
本家、マッキン275は手が出ないので
ちょっと気になってます・・・
あとPPの方がシングルより、トランスの良し悪しが
低域に影響しにくいと聞いたので、PPもよいかなあと^^
6V6はタイトな音なんですね^^
柔らかい音だと、2A3あたりがいいのかなあ・・・
差動アンプ、当方も気になりますので、レポート
楽しみにしております^^
Commented by rhr_nally at 2009-08-25 21:43
きゃーるさん、こんばんは。
SV-275は、サンバレーさんらしくそつがないです。
ただ、「ゆるやか」「厚い」と言った感覚からやや違い「馬力ある」「ハイスピード系」かもしれません。
お使いのプリがSV-722なので外れないと思います。
「柔らかい音だと、2A3あたり」とのお話、私も2A3は聴いたことがない(意識してませんでした)のでなんとも言えないですね。
きゃーるさんが、ALTEC+JAZZならSV-275+SV-722は良いと思います。
手配線ですし作り応えはきっとあると思います。
また、きゃーるさん自作のSPの進展分かりましたら教えて下さい。
楽しみにしてますね。
Commented by 龍門 at 2009-08-26 01:18 x
こんばんは、nallyさん。

真空管アンプってプリアンプを間にはさんだ方がいいんですね。
知らなかった・・・。
まだ、オーディオ初心者で知らないことばっかです!

全段差動のAW-M610のレビューも楽しみです。
なかなか自分では買えないけど
レビューを読んで音を想像するってのも楽しいですよねー!
アハハハ・・・。

Commented by rhr_nally at 2009-08-26 09:44
龍門さん、おはようございます。
龍門さんのブログにもコメントさせて頂きましたが、「プリ効果」はありますよ。
一度プリにとりつかれると、メインよりプリにこだわりたくなります。
そして、そんなこだわりに疲れた時にそっとプリメインに戻るとプリメインちゃんが「お帰り」と言っているようで(笑)
でも私個人的にプリこそ魅力的で魅惑的なアイテムなのです(笑)
「危険ですから絶対近寄らないで下さい!」
そうしないと私やなめちゃん仙人や猛者の諸先輩のような泥沼地獄に陥ること必至です!
by rhr_nally | 2009-08-23 18:48 | 試聴(武者修行) | Comments(12)

時は流れるんです…


by Nally